【ダンス】『SCARBO(スカルボ)』
ロームシアター京都のノースホールで『SCARBO(スカルボ)』を観た。マノン・パランというダンサーのソロダンス公演。ヤニス・マンダフニスという振付家と、パランが共同で制作した作品だ。
公演当日は、頭もからだもすっきりしていない日で、ちゃんと舞台に集中できるかちょっと不安だった。ぼんやりしながら岡崎公園を歩き、ぼんやりホールに向かい、ぼんやり椅子に座った。自由席だったのだが、ミスって知り合い(?)同士と思われる男女の間に座ってしまい、ちょっときまずかった。今日はもうだめかも〜と思っていた。ノースホールは約200人収容の小さなホールで、観客席は雛壇状に設置されていた。ステージを見下ろす形状になっている。ステージは白いシートが轢かれており、上手にはバケツ、下手には机が置かれているだけのほとんど何もない空間だった(記憶違いがあるかもだけど)。パランは、舞台奥の扉からリュックを背負って入ってきた。彼女は入ってくるなり、確か、先にリュックを置いて、観客席のほうをじっと見始めた(このブログに、ロームシアター京都の動画リンクを載せたが、冒頭の6秒間は、たぶんそのときの様子だ。各地で、毎公演、行っているんだと思う)。ひとりひとりの顔をじっと見ている。もちろんわたしも目があった。コミュニケーションをとっているんだと思った。この日の観客の雰囲気を伺っているようにも感じた。このステージはパランのソロステージだ。観客ひとりひとりとは、一対一の関係になる。わたしは、コンディションが悪く、舞台に集中できるかどうか心配していたが、そんなことどうでもよくて、この場で、彼女と居合わせることに意味があるのだった。ダンサーは、その場限りの、形のない作品を、身体を使って表現する。観客は、その場にいるだけでも十分意味がある、それがただ観ているだけの状態であっても。日常生活でも言えることだが、同じ空間に身を置くことは、強い。それだけで関係がはじまってしまうからだ。優れたダンサーは観客側の雰囲気もちゃんと感じ取って、表現してくれる、それはNDTを観た時になんとなく感じたことで、その感覚を思い出したのだった。ダンスの技術のことはわからない、ラヴェルの音楽のこともよくわからない、そんなわたしができることは、頭で理解するのではなく、空間に身を預けて、50分間、ただ感じることだけだった。とにかくそれを徹底した。思考を手放すことはものすごく難しくて、気がつくと、すぐ頭で理解しようとしてしまう。今後の課題(?)だと思う。
今年の7月、名古屋でNDT(ネザーランド・ダンス・シアター)というオランダのダンスカンパニーの来日公演を観た、それが強烈な観劇体験だった。NDTは、バレエの高い技術をもったダンサーたちが世界中から集まる民間のダンスカンパニーだ。著名な振付家たちとの共同制作で、年間約10作品ほどの新作を発表し、世界中で公演を行なっている(※1、※2)。今まで、ダンスパフォーマンスの公演は難しいイメージがあって、全く観てこなかったけれど、NDTは気になったので観に行ってみた。めちゃめちゃ面白くて、びっくりしてしまった。もっといろんなダンス公演を観てみたくなった。でも、まだ自分の中に、ダンスの観劇を楽しむための地図がなくて、次は何を観たら良いのか、何が観たいのか、よくわからない。とりあえず、NDTと関係のある振付家の公演を探してみることにした。今年のNDTの来日公演で、わたしは3人の振付家の作品を観たのだが、そのひとりがウィリアム・フォーサイスだった。『One Flat Thing,reproduced』を観た(フォーサイスの代表作のひとつらしい)。『SCARBO』の振付家のマンダフニスは、もともとNDTでの活動歴があり、ウィリアム・フォーサイスのカンパニーに所属していたことがあるとのことで、気になったので、チケットを取った。安牌な選択だったかもしれないけれど、はじめはこんなかんじで、いいでしょう〜。
パランはミュージシャンとしても活動しているらしく、公演の中盤、歌を歌う場面があった、セリフを独白するシーンもあった。声も語りも魅力的だった。公演のはじまりとおわり、休憩と本番、フィクションなのかノンフィクションなのか、あいまいな構成になっていて、流れるように時間が過ぎた。終盤は、舞台が、緊張感のある重い雰囲気に変化した。少し気持ちが緩んだ後にやってきたので、ダイレクトにこちらの身体に届いたように思う。公演後、しばらくひきずった。濃密な50分間でへとへとになった。でも、それが面白い。
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もっといろんな公演を観てみたいし、ちょっとずつ、勉強しながら、自分なりの楽しみ方を探して、地図をつくっていきたいと思う。もっと面白く、ダンスを観てみたい。そして、この感覚で宝塚もみてみようと思う。(だって、もうすぐ、約2ヶ月ぶりに、あかりちゃんに会える。そしてもうすぐお別れだ。あかりちゃんと同じ空間に居ることができる、最後の時間を楽しみたいと思う。)演劇も、ダンスも、ミュージカルも、舞台を観るのは、楽しくて、面白いから、だいすきだ!

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