250519 美術展の感想文

  
   
    
   
世田谷美術館と東京都写真美術館に行ったので、簡単な感想文を残しておきます。

アローさんの感想をきいて、行ってみたくなったので行ってきた。アローさん、紹介してくれてどうもありがとう。場所は世田谷美術館。横尾さんの新作シリーズである「連画」約60点をみることができる企画だった。わたしは『冒険王・横尾忠則』以来の横尾忠則展だった。当時は、一見アングラな絵も、ユーモアがあって楽しいフレンドリーな印象を持っていた。今回の展示は、全く印象が違った。夢とうつつの間、得体の知れない巨大なイメージのなかに放り込まれる感覚。笑える楽しい絵もあるけれど、怖くてあまりじっとみていられない絵もある。描かれているモチーフ自体はそれほど変わらないのに、受け取る印象が全く異なるものもあった。ぐらぐら揺れるイメージの中でただ身を委ねていた。展示室から出て数メートル先に『TADANORI YOKOO Masterworks 1960s-70s』のサンプルが置いてあった。1960〜70 年代の代表作がA2サイズで収録されているもので、それを見ていると、現実に帰ってきた気がして、なんだかほっとしてしまった。

東京都写真美術館の学芸員5人の共同企画によるオムニバス形式のコレクション展。いろんな写真家の写真に触れることができるし、写真史も学ぶこともできる、写真入門者の自分にとってかなり有難い企画だった。特にみることができて嬉しかったのは、赤瀬川原平の版画だった。『トマソン黙示録』という、トマソンを撮影した写真を版画にしたもの。1988年、佐谷画廊の「第8回オマージュ瀧口修造展」にあわせて制作されたらしい。版画にすることで雰囲気が淡くマイルドになり、ノスタルジックな作品になっている。すごく素敵だった。佐内さんの写真もあった。写真集『生きている』の写真。最高、大好き。中平卓馬の作品の近くにあって、嬉しかった。

同じく東京都写真美術館の展示。展示も作品もめっちゃ良かった。日常を切り取るさまざまな技法を使った写真プロジェクトによる作品が、会場全体にばらばらに配置されている。順路はない。キャプションもなく、壁面にうっすらナンバリングだけされてある。作品リストから、作品名やプロジェクト名などを参照し、それを地図代わりに鑑賞していく。写真の展示は、並ぶ写真同士をどのように文脈を持たせるか重要で、それを見たいのだけれど、今回の展示は、写真同士の関係がゆるやかで、全体を見終わると、鷹野さんが切り取る世界のイメージがぼんやり浮かんでくるような展示だった。こういう鑑賞体験ははじめてだったので、じんわり感動した。近くに住んでいたら、もう一回見に行ったと思う。なお、展示空間は建築家の西澤徹夫さんとのコラボレーションで、「都市空間における広場」というコンセプトで制作されたとのこと。(参考記事

本展では、2021年に国立国際美術館で行われた個展の展示作品の再構築を行なっているとのこと。この時の個展について調べていたら、現在、大阪中之島美術館学芸員をされている中村史子さんのレビューを見つけた。これもよかった。











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