2025年8月 − 08
宝塚大劇場での観劇が終了したのは14時頃で、時間も気力も余力もあるが暑いから西宮市大谷記念美術館に寄って帰るかどうか悩ましい気候、駅に向かって歩きながらどうするかずっと考えていた。なかなか決められない。また別日に出直すのは遠いからエネルギーがいるし、交通費ももったいない。とりあえず来た電車に乗ってみた。しんどくなったら途中で引き返せばいいかという判断。阪急電車で今津駅まで行き、阪神電車に乗り換える。香櫨園駅を目指す。香櫨園駅が美術館に一番近い駅なのだ。結局引き返すことはなかった。
西宮市大谷記念美術館で開催中なのは、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展。板橋区立美術館で行われていた展示が巡回してきている。わたしは先月、板橋区立美術館で観ているのだが、もう一度観たかったから行った。とても楽しい展覧会だったのだ!
15時過ぎに香櫨園駅に着いた。阪神高速沿いの道を歩き、住宅地をぬけて美術館へ向かう。たしか板橋区立美術館も、最寄の西高島平駅から高速沿いの道を歩いた。板橋では110カメラで撮影しながら歩いた。今回は、コダックのコンデジを片手に歩いた。日傘をさしながら、写真を撮りながら歩く。暑いのはしんどいが、夏の風景を撮れる期間は限られている。そう思って頑張って撮る。気温が高くカメラが熱を持ってしまったからか、汗のせいか、反応が若干遅い。少し心配になる。壊れていませんように。
美術館は思っていたよりも大きな敷地と建物で、入口がどこかよくわからなかった。建物に入る前に、チケット売り場で支払いをすます。入口を入って数十メートル進んだ先に、グッズや絵本の販売スペースが大きく展開していた。展示作品を見る前に、どんな絵本が買えるかチェックした。板橋では買えなかった、エンリケ・コゼール・モレイラさんの絵本が売ってあった。「空と大地のダンス」と「ミスター・マジック・キャット」だった。マストバイだ!と思った。
展示室は、1階と2階にあり、全部で4つだった(いや、もしかしたら5つだったかもしれない)。絵本を読むことができるスペースと展示スペースは明確に分けられていた。板橋区立美術館の場合は、展示されている原画の近くに絵本が置いてあったので、原画と絵本を見比べながら鑑賞することができた。今回はそれができないので初めはちょっと残念だなと思ったけれど、スペースが明確に分けられているからか、原画の鑑賞に集中することができた。絵本がそばにあると、物体としての絵本の求心力が強く、そちらがとても気になってしまうのだ。美術館の空間の質、場所の違いの影響も大きいとは思うけれど、展示空間の作り方が異なるので、同じ作品を観ているのに、違う鑑賞体験ができて面白かった。
同じ作品を観ているけれど、前回気になった作品のほかにも、別の作品も気になった。チャン・スーチーさんの「マサなんて、きらいだよ」とか、パウリーナ・ラウさんの「このくみあわせ、だいじょうぶ?」とか、ヴェンディ・ヴェルニッチさんの「冬のプールの土星」とか。構成のしかたとか、自分が描いてみたいかんじ(描いてみたいから描けるわけでもないけど)があって、そういう部分でも気になったんだと思う(とりあえず作家のインスタアカウントはフォローしたよ)。シドニー・スミスさんの原画も改めてじっくりみた。『このまちのどこかに』は絵本を買って家で読んでいるので、絵本と原画の質感の違いを改めて体験できた。絵本の『このまちのどこかに』はつるっとした光沢紙に印刷されているので、デジタルっぽい雰囲気にも見えるけれど、実際はアナログの美しい絵画なのだ。絵本は印刷物でもある。原画と絵本に主従関係はなく、それぞれ魅力があるんだなと思った。
閉館近くまで鑑賞し、絵本・グッズ売り場を堪能し、モレイラさんの絵本を2冊購入して帰った。帰りは事故でJRが止まっており、梅田から烏丸まで阪急電車で迂回して帰った。烏丸の駅近くで晩御飯を食べて帰る。次の日も仕事だけど、帰りが遅くなってももういいや、と割り切って、ほとんど客がいない閑散とした店をわざわざ選び、本を読んで1時間ほどゆっくりした。
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