2026年7月 − 02

山に住む友達にさそわれて、岐阜県恵那市にある庭文庫に行ってきた。友達はGoogleマップで仮想散策していてたまたま見つけたらしい。本屋さんでもあり宿泊施設でもある、泊まれる本屋さん。

日中は本屋さんとして営業されているが、お店の閉店後、オーナーご夫婦は家に帰り宿泊者だけの貸切スペースになる。その間本屋スペースも全開放されるので、本が読み放題。気に入った本は翌朝チェックアウト時に購入することもできる。

わたしたちの他にももう1組宿泊していて、各々本を読んだりおしゃべりをしたりご飯を食べたりゆったり過ごしていた。庭文庫は扱っている本のジャンルが幅広い。たまたま目にとまった本や前から読んでみたかった本を読んだ。オーナーご夫婦が薦めてくれた本も読んでみた。
友達は事前に選書を依頼していたので、選ばれた本をかたっぱしから試し読みしていた。選書はオーナーがそれぞれ選び、あわせると20冊くらいあった。

ずっと雨が降っていて、雨の音とそれぞれの話し声だけが聞こえる静かな古民家で一晩過ごした。

宿を去るときにとても寂しい気持ちになったが、楽しい気持ちや嬉しい気持ちと同じように、場合によってはそれ以上に、自分のなかにおこる寂しさや悲しみをこれからはちゃんと大切にしようとはじめて思った。無かったことにしたり回避したいと思いがちな感情だが、そういう感情との向き合い方が人それぞれの生き方をつくっていくのだろうし、表現にもなるんだろうと思う。庭文庫はそういうことを大事にしている場所に見えた。

お店の縁側からは木曽川が見える。友達がオーダーした選書本のなかにユリー・シュルヴィッツの絵本『よあけ』があった。庭文庫で大切にしている本のひとつらしい。絵本で描かれている風景は庭文庫のある場所の川の風景にとてもよく似ていた。静かで穏やかな湖みたいな風景だった。

   









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